暦も4月、桜前線が平年通り日本を北上中のようです。
私の住む東北地方にも、この桜前線がようやく迫りつつあります。
我家の近所の公園のソメイヨシノも、いっせいに蕾が膨らみ始め、そして、色付いてきました。
ところで、「桜前線」と「平年」の正確な定義というか意味はご存知でしたか?
私は、中年世代ですが、知識としては曖昧でした。
まあ、「桜前線」と「平年」の正確な意味を知っていたからといって、とりわけ得でもありません。
お花見の時の「話のネタ」にでもして頂ければ幸いです。
1.桜前線について
(1)意味
日本各地のソメイヨシノの開花予想日を結んだ線のことです。
この「桜前線」は、昭和40年前半頃にマスメディアが使いだした造語です。
つまり、気象庁の公式用語ではありません。
ちなみに、気象庁では、「桜の開花予想の等期日線図」と呼ぶそうです。
特性としては、南から北、そして低地から高地と進みます。
しかし、九州より先に高知や南関東が咲いたりしますので、前線が連続する線とはなりません。
私は、開花予想日で無く、てっきり開花日を結んだ線と思っていました。
TVなどでは、靖国神社の標本木が5輪咲いたとか放送しています。
これは、桜の開花を宣言するためであって、桜前線とは直接的には関係ありません。
この辺、勘違いしていました。
なお、気象庁は以下リンクで毎年の開花状況を発表しています。
(2)観測方法
ソメイヨシノを主な観測対象とし、以前は各地の気象台にて標本木の蕾をとり、その都度重さを量る方法で独自に行われていたそうです。
ここで、以前と申したのは、なんと、気象庁は平成22年(2010)より開花予想の発表を取り止めています。
では、TVで流れている桜前線に関する開花予想は、なんなのでしょうか。
実は、以下リンクの民間3業者の提供によるものなのです。
確かに、天気予報には何れかの提供業者名がありましたね。
観測方法は、各業者の独自方法によるものです。
開花予想に加えて満開予想などもありますので、ご自分の地域の各予想日を確認下さい。
2.平年について
平年とは、正確には桜の開花日を昭和56年(1981)から平成22年(2011)の30年平均した平年日(平年値)を言います。
この日を基準として、
① 平年並み : 平年との差が2日以内
② 早い : 平年より3~6日早い
③ かなり早い: 平年より7日以上早い
④ 遅い : 平年より3~6日遅い
⑤ かなり遅い: 平年より7日以上遅い
との用語が用いられています。
昨今は、地球温暖化のせいか「早い」の表現が毎年繰り返されているようです。
たしかに、自分の感覚では、桜の開花日が年々早くなっているような気がします。
また、比較対象として昨年の開花日も付け加えられる場合もあります。
3.おまけ
ところで、ソメイヨシノは、地域により開花から満開(80%以上が咲いた状態)までの日数が異なります。
例えば、
① 沖縄・奄美地方で約16日、
② 九州から東海・関東地方では約7日、
③ 北陸・東北地方では約5日、
④ 北海道地方では約4日、
であり、なんと、北上するほど短くなります。
北に住む我家は、損した気分です。
4.最後に
桜は法律で定められた国花ではありません。
しかし、桜は日本を代表する花であり、大多数の日本人に愛されていることが判ります。
なぜ、日本人は桜をかくも愛するのでしょうか?
毎年、枝一杯に淡い桃色の花を咲かせたと思うと、あっという間に散っていく。
その「健気さ」、「儚さ」、「潔さ」に加え、また来年には咲き誇る「力強さ」に共感するからでしょうか。
私自身、若い頃はむしろ「花より団子」でした。
しかし、桜を愛でる気持ちは、年を重ねるごと強くなることを感じます。
中年世代になると、人生の折り返しに差し掛かります。
あと何年かは判りませんが、残りの人生も毎年、桜を愛でたい気持ちです。
そして、桜を愛でることができるこの日本に生まれた事を感謝したいです。
ここで一句、
ああ桜 幾年先も 愛でたいな
では、また。