夏の暑い時期には、お盆がやってきます。
お盆の長期休暇は楽しみですが、もし、その年に親類縁者に不幸があったのなら、「新盆見舞い」の問題が生じます。
まあ、“問題”と言ってしまうと表現上どうかと思いますが、知らない事も多いし、慣れていない事もあるので、“おっくう”なのは、正直なところです。
しかも、今年(2016年)は、我家にとって2件の「新盆見舞い」があるのです。
1件は、父方の伯母(享年94歳)、もう1件は父方の伯父(享年90歳)のお宅です。
本来なら、私の父母が伺うべきですが、二人とも既に亡くなり代替わりしているので、私達夫婦が伺わざるを得ないのです。
我家は、私の父と母の時に2回ほど新盆を迎えた経験があるのですが、伺う側の経験は乏しく知識は不足気味です。
失礼の無いためにも一度はキチンと調べてみる必要はありそうです。
そこで、新盆見舞いについて、“伺う時期”、“金額の相場”、“伺う時の服装”など総合的なマナーを調べてまとめてみました。
もし、あなたが新盆見舞いに伺わなければならないのなら、参考として頂ければと思います。
1.新盆について
まずは、新盆(あらぼん/にいぼん)について、一応触れておきます。
新盆とは、故人の四十九日を経過、いわゆる忌明け後に初めて迎えるお盆のことです。
初盆(はつぼん)と呼ばれる場合もあり、盆棚や盆提灯を飾って供養する風習です。
ただ、地域や宗派によっては、多くの親族を迎え僧侶をお呼びして盛大な法要を営む場合がある一方で、遺族だけでこじんまりと故人を偲ぶ、もしくは何もしない場合もあったりします。
つまり、新盆といっても、どのような行事を行うかは、地域や宗派、そして、遺族の考え方によっても大きく異なるということです。
そのため、あなたがお住まい地域や宗派、伺うお宅でどのような行事を行うか、事前の確認が必要です。
ちなみに私の住む地域(南東北の地方都市)では、親族など故人に縁があれば、そのお宅に伺いして香典を渡すと共に線香を上げ、ちょっとした食事を頂くライトな形式のところが多いです。
ですので、以下の新盆に関する“伺う時期”、“金額の相場”、“伺う時の服装”については、私の住む地域を想定していますので、この点はご了承ください。
2.伺う時期
(1)お盆の期間
一般的に、お盆と言えば、お盆休みのある8月中旬です。
しかし、東京都などの関東地方では、7月にお盆を迎える場合もあります。
ちなみに、妻の実家は北関東ですが7月にお盆を迎えるそうです。
つまり、お盆には、8月のお盆である「旧のお盆(月遅れのお盆)」、7月のお盆である「新のお盆」の2パターンの時期があるのです。
具体的には下表のようになります。
新旧 | 盆入り | 中 日 | 盆明け |
---|---|---|---|
旧のお盆 | 8月13日 | 8月14~15日 | 8月16日 |
新のお盆 | 7月13日 | 7月14~15日 | 7月16日 |
まあ、私の住む地域は南東北ですので、お盆の期間は旧のお盆であることは確かです。
(2)新盆の判断
新盆とは、繰り返しになりますが、故人の四十九日経過の忌明け後に初めて迎えるお盆です。
このため、新盆なのかの判断は、四十九日法要が盆入りの前日の8月12日、あるいは7月12日までに終えているか否かになります。
例えば、四十九日法要が盆入り前日に終えていなかった場合、翌年が新盆となります。
ただ、正確には宗派や地域で異なりますので、迷った場合は伺うお宅に確認してみるのが確実です。
(3)伺う日
新盆見舞いに伺う日ですが、盆入りの13日かベストです。
都合が悪ければ翌日の14日でも良いですが、遅くても盆明け前日の15日までには伺う必要があります。
ちなみに、私の地域では、伺う先が複数であっても13日中に伺うのが良いとされています。
ですので、我家の場合、伯母宅と伯父宅の2軒を13日中に伺わなければなりません。
伯母宅は近所ですが、伯父宅は40kmほど離れていますので、移動が結構大変そうです(^_^;)
3.金額の相場
(1)香典
お盆の香典の金額は、3,000円、5,000円、10,000円ほどが一般的とされています。
故人との縁によっても包む金額は変わります。
まあ、だいぶ幅がありますので、他の親族などと事前に金額を擦り合わせた方が良さそうです。
また、自家の新盆の時に頂いた金額が判っていれば、同じ額をお返しても良いかと思います。
なお、香典の表書きは、仏式では“御仏前”となります。
(2)御提灯料(御提灯代)
私の地域では、香典とは別に御提灯料を持参する場合があります。
昔は、いわゆる盆提灯の実物を持参するのが主流だったようですが、最近は現金を包むのが主流のようです。
この御提灯料ですが、故人が親兄弟であれば、ほぼ必須とされています。
我家の場合、私の父母と代替わりしているので、伯父・伯母については兄弟相当のお付き合いとなります。
このため、御提灯料もおそらくは必要です。
また、今回の2軒の新盆見舞いでは、御提灯料に現金を包むのか、盆提灯の実物を持参するのか、他の親族間での調整も必要となりそうです。
ハ~、何れにしても面倒だし、結構な出費です(^_^;)
ちなみに、私の父母の新盆の時には、それぞれの実家のご兄弟の一部から盆提灯の実物を頂きました。
ただ、盆提灯は新盆の時にしか使いみちがないため、結局は菩提寺でお焚き上げしてもらう必要があり、正直なところ有難迷惑だったりします。
その一方、御提灯料として10,000円ほど頂いた方も結構いました。
新盆の準備には、それなりの費用が掛かりますので、現金を頂けた方が有難かったと記憶しています。
なお、御提灯料は香典とは別に包む必要があり、仏事用の熨斗に表書きを“御提灯料”とすれば良いです。
“御提灯代”という表書きもありですが、“○×代”とは商品やサービスの代価にも使うため避けた方が無難だと思います。
4.服装
略式喪服が良いですが、地味目な服装であれば問題ありません。
具体的には、黒、紺、グレーなど暗い色のシンプルな平服であれば良いと思います。
女性であれば、派手なものや肌の露出が多いものは避けた方が無難です。
靴は黒を基本とし、あまりにもカジュアルなスニーカーなどでなければ問題無いと思います。
そう言えば、亡くなった伯父さんは、父の新盆の時にアロハシャツを着ていたような・・・
まあ、それはともかく、私達夫婦は地味目な平服でお伺いすることにします。
5.最後に
新盆は、故人が亡くなられてから、それほど日数が経ったものではないため、遺族にとっても思うところも多いと思います。
一般的なマナーはもちろん大事ですが、やはり故人を偲ぶ心も大事です。
この点も心掛けたいと思います。
ですが、そうは言っても香典と御提灯料など親族間でどうするのか、やっぱり気になります。
そこで、父母の新盆の時のデータを参考にしようかと思ったら、なんと紛失していました(^_^;)
ヤバいな~、と思っていた矢先、我家のように代替わりした父方の“本家”の従兄弟から連絡がありました。
その連絡とは、伯父・伯母の新盆の香典は3,000円、盆提灯は実物ではなく御提灯料を10,000円とする提案でした。
私は、渡りに船とすかさずこの提案に同意しました。
あとは、従兄弟が親族間で調整し、決まったら連絡を頂けるそうです。
さすがは“本家”、仕切ってくれますね、正直、助かりました。
これで、ゆっくり故人を偲ぶことができそうです。
ここで一句、
夏の日に 故人を偲ぶ 新盆か
では、また。