前回のストーリーでは、“ヴェッセン評議会”なる謎めいた組織が登場してきました。
この評議会は、400年前もの大昔に定めた“シュヴァーベンの掟”なる規範をヴェッセン達に守らせる組織です。
しかも、目的のためには実力行使も厭わない強力なものです。
しかし、それによって人間界に潜むヴェッセン達の平穏な生活を守っているのでした。
ところで、この評議会はグリムであるニックやその祖先とは、どのような関係なのでしょうか?
グリムは、ヴェッセン達にとって言えば“狩人”ですので、その平穏を一番に脅かす存在だと思うのですが・・・。
何れにしても、グリムと王家の関係もあり、今後のストーリー展開に期待することにします。
では、早速、GRIMM/グリム・シーズン2の第15話のあらすじに突入します。
なお、あらすじ内の緑文字は自分のちょっとした感想です。
1.シーズン2第15話「ミスター・サンドマン」のあらすじ
夜の郊外らしき通りの路肩に、古めかしいがピカピカの赤いキャデラックが停車する。
車内には50’Sらしき音楽が流れている。
運転手は黒髪壮年の白人男性であり、そこそこのハンサムだ。
その男は、苦しそうな表情を浮かべながら何かの薬を飲む。
薬を飲んだ後に頭を押さえていたので、頭痛が酷いのか?
車を降りた男の視線の先には、教会のような建物があった。
男が中に入ると、そこでは近親者を亡くし悲しむ人達が思いのたけを話す、“癒しの会”が行われていた。
男が入った時、兄を亡くした女性が涙ながらに話していた。
男は、その女性の顔を注視する。
女性の話が終わると、その癒しの会の主催者らしきカウンセラーの男性が、キャデラックの男に“話”をすることを促す。
一瞬、男は戸惑った様子を見せるが、ゆっくりと話しだす。
男はアンドレと名のり、妻のスージーを骨肉腫で亡くしたこと、そして、妻を亡くした後の日々がやりきれない思いだと話す。
アンドレの話を聞く会の出席者は、みな共感の顔を向ける。
特に亡くした兄の話をしていた女性は、切なそうな共感の表情を浮かべながらアンドレを見つめていた。
会が終わった後のコーヒーの時間、アンドレは兄を亡くした女性と話していた。
女性との会話では、彼は南アフリカの出身であることが判った。
その会話の後、女性が1人で帰ろうとすると、アンドレが家まで送っていくことを申し出る。
女性は、妻を亡くしたアンドレと兄を亡くした自分を重ね、互いにもっと話をしようと一緒に帰ることにするのだった。
場面は、帰宅したジュリエットが買い物袋をテーブルに置くシーンに変わる。
キッチンに向かったジュリエットは、人の気配を感じる。
そして、リビングに漂う“薄緑色の霧の塊”を見るのであった。
場面は、停車したキャデラック越しのアパートらしき建物の外観に変わる。
中では、アンドレと兄を亡くした女性が話していた。
女性は、めそめそと涙を流して過ごす日々を悔い、「もう泣きたくないのに!」と言う。
すると、アンドレは「泣いて欲しいんだ!」と言うと、大きな深呼吸をした後に、女性の目に向かって“赤い砂”のような物を吹き掛ける。
女性は「私に何をしたの?」と目を押さえ、その後に「何にも、見えないわ!」と多量の涙を流し始める。
その様子をみたアンドレは、「その方が良いんだ!」とハエのようなヴェッセンにヴォーガすると共に、女性の両手首を強く握りしめて正面を向かせる。
そして、長い舌を出して女性が流した多量の涙を吸い取り始めるのであった。
女性の涙を吸いつくしたアンドレは、人間に戻ると天井を見つめて快感の表情を浮かべる。
あの快感の表情、酷い頭痛が治ったのか?
その後、アンドレは目の見えない女性をほっぽり出して去って行く。
目が全く見えなくなった女性は、助けを求めて叫び声を上げる。
そして、立ち上がろうと手を掛けた本棚を倒してしまい、その下敷きとなってしまうのであった。
手の指が力なく落ちたので、死んでしまったのか・・・。
タイトルバックと共に、モンローの家の外観に変わる。
中では、ニック、ハンク、モンロー、ロザリーの4人が、ある話題をしつつテーブルを囲み食事をしていた。
その話題とは、レナードについてだった。
彼がハーフ・ザウバービースト、王族の血縁者、ポートランドの警部であり、そして、ジュリエットを昏睡から目覚めさせたことについてだ。
そして、レナードが王族とヘクセンビーストの間に生まれたのなら、王家には正式な王族として迎えられていないこと。
そのため、鍵を返してニックを味方につけ、王家に対して優位性を保とうとしていること、などであった。
何れにしても、レナードの味方や彼のとんでもない計画を調べることになった。
調べると言っても、王家でも手こずっているのだから、かなり難しそうだ。
場面は、本棚の下敷きになったあの女性のアパートの外観に変わる。
車で駆けつけたニック達は、ウー巡査から状況報告を受ける。
遺体はモリー・フィスク、鍵は開いていたが押し入られた様子はなかった。
やっぱり、亡くなっていたのか。
一方、テーブルに残された二客のコーヒーカップから訪問者がいたことは判明した。
また、残されたスマホから教会の癒しの会に出席していたことも判明した。
本棚を戻し、モリーの遺体の様子を見たノックは、目の周りが妙に赤く腫れあがっている点に注目する。
目の腫れや手首のあざから事件性が高いと考え、殺人事件として捜査を開始することにした。
早速、教会を訪れたニック達は、癒しの会のカウンセラーから昨晩の会にモリーが出席していたことを確認する。
また、モリーは癒しの会の後、昨日初めて参加したアンドレという男と一緒に帰ったとの情報も得る。
ハンクがアンドレの様子を聞いていると、カウンセラーはオーストラリアか南アフリカ出身ではないかと答える。
訛りで出身国がバレバレなのか?
その後、ニックの携帯に検視結果が出た旨の報告が入り、二人は教会を後にする。
場面は、ウィーンの豪奢なホテルの外観に変わる。
アダリンドの滞在する部屋をノックする老女。
彼女はプラウペッチと言う名のヘクセンビーストであり、アダリンドの母キャサリンの知人だった。
アダリンドは彼女を部屋に招き入れてお茶を出し、自分が王族の子を宿したと伝え、協力を請う。
相手を問われたアダリンドは、“二人”いると答えていた。
しかも、その二人は半分だけ兄弟だと。
これは、父親がエリックかレナードが判らないと言うことか?
半分だけ兄弟とは、二人が腹違いだとは理解できるのだが・・・。
老女はお腹の子の価値は高く、その手助けをできることを光栄だと答えるのであった。
場面は、アンドレの赤いキャデラックが、ある通りの建物前に停車するシーンに変わる。
アンドレは、またもや頭痛のような症状に見舞われており、薬を飲んだ後にカーステとエンジンを止める。
そして、車から降りると頭を押さえつつ建物の中に入っていく。
建物には“癒しの会”の看板が掛けられていた。
場面は、解剖台にモリーの遺体が安置された検死局のシーンに変わる。
小太りの中年女性の検死官は、モリーの死因が窒息死であることの他、失明していた目を不思議に思っていた。
検視官は、ニック達にモリーの失明した目を見せる。
そこには“赤い砂”らしきものが付着していた。
採取した砂をニック達が顕微鏡で確認すると、赤いミミズのような寄生虫がウヨウヨしていた。
うわ~、気持ち悪~!
失明した遺体の目に付着した赤い砂らしきものは、アフリカ由来のオンコセルカ症の寄生虫に似ていた。
しかし、この寄生虫は直接目に寄生し、涙の中に入ることで活発化する点で特異なのだ。
検死官は、アフリカ帰りでなければ感染場所は全く判らないとお手上げだった。
ただ、寄生虫は宿主の死によって死ぬこと、そして、まだ幼虫である点は判っていた。
場面は、表の通りにキャデラックが停車した一軒家の外観に変わる。
中では、目に赤い砂を吹き付けられた女性が、「目が見えないわ!」と悲鳴を上げつつ、這いつくばっていた。
その女性が柱に寄り掛かり立ち上がろうとする傍らには、ハエのようなヴェッセンにヴォーガしたアンドレが立っていた。
ハエのようなヴェッセンは女性の両肩を掴んで彼女を引き摺り上げ、先が2つに割れた長い舌で女性の涙をすすりだす。
すると、そこに別の女性が帰って来る。
慌てたアンドレは人間に戻ると女性を手放してしまう。
手を離されて倒れた女性は、「助けて、ケイシー。」と弱々しい声と共に手を上げている。
中の異変に気が付いた女性、ケイシーは「ケリー!」と大声で呼びかけ、裏口から家の中に入ろうとする。
この様子を見たアンドレは、表玄関から逃走する。
ただ、キャデラックで逃走する様子はケイシーに目撃されるのであった。
場面は警察署内に変わる。
ニックは、モリーがアフリカへの渡航歴がないことを確認していた。
モリーは、アフリカどころかワイオミング州が最大の遠出だった。
でも、アメリカは広いので、ポートランドからワイオミングでは、1000kmぐらいは移動が必要だよ。
一方、ハンクは疾病対策センターで、国内で目の寄生虫に関する病気、オンコセルカ症の報告がないことを確認していた。
また、ハンクは教会のカウンセラーの協力を得て、アンドレの似顔絵を作成していた。
さすが、ハンク、手際が良い。
すると、ハンクの携帯に次の事件の報告が入る。
今回は、被害者は生きていた。
早速、現場に向かう二人であった。
場面は、ロザリーの店の来客を知らせる鐘が鳴るシーンに変わる。
深刻な顔をしたジュリエットが訪ねて来たのだ。
ジュリエットはレナードと飲んだ薬の副作用で幻覚を見たり、幻聴を聞くようになったことを相談しに来たのだ。
ロザリーは、家の様子を見にジュリエットに同行することにした。
場面は、ケリーが襲われた一軒家の外でニック、ハンク、ウー巡査がケイシーへ事情聴取するシーンに変わる。
ケイシーは、2週間前に母を亡くし辛い思いをしていたこと、鍵を忘れ玄関から入れずに在宅中の妹のケリーを呼んでも返事がなかったこと、泣き声が聞こえたので裏口から入ると目を押さえ倒れたケリーが泣き叫んでいたこと、を証言する。
ハンクがアンドレの似顔絵を見せると、家の中にいた男かもと思うがはっきりしない。
しかし、テールフィンの付いた赤のボディと白い屋根のキャデラックが走り去って行く様子は確認していた。
ウー巡査は、テールフィンからキャデラックの年式を即座に指摘していたが、もしかしたらマニアなのか?
そして、ケイシーはケリーがウィラメットコミュニティセンターの“癒しの会”に参加していたことを証言した後、病院に向かうのであった。
三人は、家の中に入り現場検証を始める。
カップが二客あることから、癒しの会で親しくなって家の中に入り込み、失明させる点でモリーの場合と手口が同じであった。
しかし、失明させることについては、その目的がニック達には不明だった。
また、視力以外にも何かを奪っているはずだが判らなかった。
そりゃそうだろ、この時点で相手はヴェッセンで涙が好物とは気が付いていないのだから。
ウー巡査がキャデラックを広域手配する一方、ニック達はモリーの時と同じ寄生虫かを確認する手配をするのであった。
場面は、ジュリエットがロザリーと共に帰宅し、玄関ドアを閉めるシーンに変わる。
ジュリエットは床に大穴が開いたことや、「真実を知ってもらいたい。」との幻聴を説明する。
その説明の途中、ジュリエットは家の中に異変を感じ、また“薄緑色の霧の塊”が階段を昇っていくのを見る。
それを追って2階に昇っていくジュリエット。
ジュリエットを追うロザリー。
2階に昇ったジュリエットは、自分を追ってきたロザリーのすぐそばで“薄緑色の霧の塊”が消える様子をはっきりと見る。
しかし、ロザリーには見えなかった。
ジュリエットは自分がおかしくなったのかと不安を感じる。
その様子に、ロザリーはジュリエットに寄り添い、「そうじゃない、絶対に違う、信じて!」と慰めるのであった。
場面はレナードが自宅寝室で就寝中のシーンに変わる。
ふと目覚めたレナードは、ベッドの隣にジュリエットが寝ていることに驚く。
焦ったレナードは「離れるんだ!」と言うが、いきなり老女に変わったジュリエットに「この前みたいにキスして!!」とまとわりつかれる。
レナードは恐怖で顔を引きつらせ、「やめろ~!」と絶叫するのであった。
この幻覚は、レナードの副作用ってこと?
場面は、朝焼けの中に佇むトレーラーハウスの外観に変わる。
中では、ニックとモンローが文献を調べていた。
そこに、ハンクが差し入れのコーヒーを持ってやって来る。
モンローは、一連の事件に関連がありそうなヴェッセンの文献を見つけていた。
文献によると、そのヴェッセンは“ジヌムルー・シュンテ”であり、アフリカのケニアの地元部族民には“涙を奪う邪悪な悪魔”と呼ばれていた。
ジヌムルー・シュンテは、人々の視力を奪うと共に、まるでアヘンのように涙を摂取するのだ。
すると、アンドレの不調は頭痛ではなく、禁断症状だったのか!
そして、地元の司祭になり済まし、人々が告解で流す自責の念の涙を喰い物にしていた。
また、切り落とされた頭の脳には、赤い虫がウヨウヨと寄生していたのだ。
加えて、ジヌムルー・シュンテは、しばしば被害者の家を再び訪れる習性があった。
それは、容易に涙が入手できるからだ。
失明させた被害者の家族の涙も狙うとは、冷静さが際立つまさに残忍なヴェッセンだ。
ニックの携帯には検視官から連絡が入る。
検視官は、入院中のケリーの目を調べていたのだ。
それによると、ケリーはモリーと同じ感染症であり同じ寄生虫がいたことも確認していた。
しかも、その寄生虫は生きており、急速に大きくなっていたのだ。
場面は、ニックとハンクが病院の廊下を歩くシーンに変わる。
ケリーの病室を訪れたニック達は、付き添う姉のケイシーに事情聴取をする。
それは、ケリーから襲われた時の様子を聞いていないかであった。
しかし、ケリーがひどく痛がっていること以外に有力な情報は得られなかった。
ニック達がケイシーと話をしていると、ケリーが急に酷く痛がりだす。
両目を出血し、赤くなった包帯を自ら剥ぎ取るケリー。
彼女の目の周囲からは、あの赤い寄生虫がウニウニと飛び出しているのだった。
うわ~、だいぶグロいシーンだ。
医者や看護士達が急いで処置をするために病室に入って来る。
一方、ハンクの携帯にはキャデラックが高校の前で見つかった旨の連絡が入る。
場面は、ウー巡査や他の制服警官が待機する高校の前に変わる。
そこにニック達が到着する。
高校では、ちょうど“癒しの会”が行われていた。
様子を伺っていると、会が終ったらしく参加者の女性に連れ添ったアンドレが外に出てくる。
顔を確認したニック達はアンドレを逮捕しに近づく。
異変を感じたアンドレは、高校の中に逃げ込む。
ニック達は、手分けして探すことにする。
すると、ニックはとある教室内で素早く動きつつ外に逃げ出そうとしていたアンドレを見つける。
銃で威嚇したニックは、アンドレを跪かせる。
そして、後手にしたアンドレに手錠を掛けようとしたその時、ヴォーガして振り向いたアンドレに“赤い砂”を吹き掛けられてしまう。
よろめくニックを尻目に、アンドレは机で窓を壊して逃げて行く。
ニックは、逃げるアンドレを薄赤い視野で捉えていた。
しかし、その視野は赤色が濃くなってすぐに見えなくなってしまった。
その直後にハンクとウー巡査がニックの元に駆け付けて来る。
壊れた窓を見たウー巡査は、無線で警官が負傷したこと、アンドレを広域手配しつつ教室を出て行く。
一方のハンクはニックを病院に連れて行こうとするが、ニックはモンローに電話しろと頼む。
走って逃げていたアンドレは、途中でSUVを奪って逃走するのであった。
場面は、ロザリーの店の中で心配そうにニックの到着を待つモンロー、予め文献を調べるロザリーに変わる。
ロザリーは、寄生虫には突起があって洗い流せないことを確認していた。
また、二人はニックを待ちつつもジュリエットの幻覚を見る副作用の件を話していた。
そこに、ハンクに肩を抱えられたニックがやって来る。
ニックの目の周りはモリーやケリーにように赤く腫れあがり、全く見えない状態となっていた。
ロザリーは寄生虫の活動を抑えるためにニックの目に光を当てる一方で、さらに文献を調べることにした。
そして、ジヌムルー・シュンテの完全ヴォーガ中にその眼球をスプーンでくり抜きワクチンにする治療法を見つける。
また、ロザリーの見立てによると、ニックが寄生虫によって失明するまでの時間は3、4時間ほどだった。
この一連の作業中、ニックは自身の聴覚が異常に研ぎ澄まされたことを自覚していた。
視力が無くなった代わりに聴力がアップしたのか?
ハンクは、ウー巡査に電話してアンドレの捜索状況を確認する。
ウー巡査はアンドレがSUVを奪って逃走したこと、そのSUVを既に広域手配したことを報告する。
ニックは、研ぎ澄まされた聴覚によって、その報告を聞いていた。
場面は、疲れた様子で憂いの表情を浮かべるケイシーが、帰宅したシーンに変わる。
ケイシーは、散らかった部屋に落ちていた写真立てを拾い上げ、母と妹と自分の3人が映る写真を見て涙を流す。
その様子を、なんとアンドレが階段の踊り場から見ていた。
そして、一瞬、喜びの笑みを浮かべると、ジヌムルー・シュンテにヴォーガするのだった。
場面はロザリーの店に変わる。
ロザリーは、ワクチンの下準備として乳鉢と乳棒で何かの生薬をすり潰していた。
ニックは、その様子を聴覚のみで感じ取っていた。
すると、ハンクの携帯に盗まれたSUVが発見されたとウー巡査から情報が入る。
ニックはその発見場所から彼の居場所を推測する。
その場所とは、ケリーとケイシーの家だった。
ジヌムルー・シュンテは、被害者の家を再び訪れる習性があることを思い出していたのだ。
4人はケイシーの家に向こうことにした。
ニックはアンドレの音を聞き分けられるし、待っている時間も無いからだ。
その際、ロザリーは粉砕した材料の入ったガラス瓶をバックに入れて持っていくことも忘れなかった。
場面は、ケイシーがダイニングテーブルに突っ伏して泣いているシーンに変わる。
すると、ケイシーは不審な物音に気が付く。
ケイシーが不審な物音の方に行ってみると、背後にアンドレが立っていた。
逃げ出したケイシーは階段で倒されて捕まるが、目を庇いつつ必死に応戦する。
ケリーの目の症状から、反射的に目を守っているのかな?
家の外にはニック達の乗った車が到着する。
取り敢えず、ハンクとモンローが家に向かうことになった。
ハンクが表の玄関から入り、モンローは裏口に回ることになった。
階段では、依然としてケイシーが目を庇いならが、必死に抵抗していた。
外の車にロザリーと控えていたニックは、家の中の物音からにアンドレがいることを確信する。
ケイシーは必死の抵抗むなしく、強引に開かされた目に赤い砂を吹き掛けられそうになっていた。
しかし、その時にハンクが玄関ドアをノックする。
その音に振り返ったアンドレは状況が悪いと逃げ出す。
ケイシーの助けを呼ぶ声に家の中に突入したハンクは、ケイシーを無事に保護する。
裏口に向かったハンクは、そこで待ち構えていたモンローと一緒に家の外側を探ることにする。
一方、ロザリーと共に家の中に入ったニックは、2階の方でアンドレの放つ異音を聴き取っていた。
2階に着いたニックは、さらに上の屋根裏部屋にアンドレがいると確信する。
そこで、ロザリーにハンクを呼びに行かせる。
ロザリーはその途中、階段を降りたところで包丁を構えた必死の形相のケイシーに出くわしてしまう。
まあ、ケイシーがこうなるのも仕方ない。
ロザリーは警察と一緒に来たことを告げて落ち着かせた後、ハンクを呼びにその場を離れる。
ニックは、屋根裏部屋へと階段を昇っていく。
屋根裏部屋に着いたニックは、ヴォーガしたアンドレの攻撃を受ける。
しかし、ニックは目が見えないにも関わらず、その攻撃を避けるだけでなく攻撃も加える。
そして、腕も固めた変形の首四の字固めでアンドレを押さえ込むことに成功する。
そこに、ロザリーと共にハンクとモンローが駆けつける。
早速、モンローはヴォーガした状態のジヌムルー・シュンテの目をくり抜き、ロザリーの差し出したガラス瓶に入れる。
モンローが言うように、気持ちが悪い作業だ。
ロザリーは、モンローから受け取ったスプーンで目を砕いて生薬と混ぜペースト状にする。
ロザリー、手際が良い。
そして、黒い帯状の布に塗りたくった後、ペースト側をニックに目隠しするように押し当てる。
痛さで苦痛の声を上げるニック。
3人がニックに注目するその隙に、なんとアンドレはヴォーガしたまま逃げ出していた。
ふらふらの足取りのアンドレは、階段を落ちて行く。
階下で立ち上がったアンドレだったが、そこに駆けつけたケイシーに包丁で胸を刺されてしまう。
刺されたアンドレは、人間の姿に戻って驚愕の表情を浮かべると、崩れ落ちるように死ぬのであった。
そこに、ハンクが駆けつける。
しかし、なす術も無いハンクは、ケイシーの横で死んだアンドレを見下ろすだけだった。
場面は、ジュリエットがリビングでコーヒーを飲みつつ読書するシーンに変わる。
すると、また、“薄緑色の霧の塊”が表れる。
ジュリエットは勇気を出し、その霧の塊に向かって「一体、何の用?」と呼びかける。
すると、霧の塊ははっきりとニックの姿に変わる。
ジュリエットは「ニック?」と困惑するように呼びかけるが、消えてしまうのだった。
場面は、森の中で目隠しをしたニックが金棒を振るうシーンに変わる。
ニックの周囲には、モンローが次々と野菜や果物を放り投げていた。
しかし、ニックはその全てが空中にあるうちに金棒で打ち砕く。
ニックは、目隠しをしても何処に物があるか把握できる程、聴力が格段に向上していたのだ。
モンローは、あの寄生虫のお陰だなどと皮肉を言う。
ニックは、目隠しを取って“成果”を確認すると、満足げな笑みを浮かべるのだった。
ここで、第15話の終了です。
2.総合的な感想
初登場のヴェッセン、ジヌムルー・シュンテは、久々に気持ち悪い容貌の持ち主でした。
人間に戻った時のアンドレがダンディなイケメンでしたので、そのギャップの大きさも相俟って気持ち悪さが際立っていました。
しかも、ストーリーの冒頭はアンドレ目線で始まったので、彼がヴェッセンだったとは完全に意表を突かれました。
そして、ストーリーが進むと“癒しの会”を利用して獲物を物色する狡猾さなど、まさに邪悪な悪魔の面目躍如と言ったところです。
そう言えば、アフリカではジヌムルー・シュンテが司祭になり済ましていたともありましたね。
しかし、最後は被害者の家族ケイシーの返り討にあって退治されるので、気分的にスッキリする結末でした。
でも、どうしてアフリカのヴェッセンが、ポートランドにやって来るのかな?
いつも思いますが、ポートランドにはヴェッセンが集まり過ぎですw
ところで、失明をすんでのところで回避したニックは、その副次的効果で聴覚が研ぎ澄まされました。
グリムとして能力がアップしたのは頼もしいですが、今後迎える試練の大きさを暗示しているような気もします。
一方で、ジュリエットだけでなく、レナードにも副作用が表れましたね。
ジュリエットが老女に変わるシーンは、ある意味ヘクセンビーストよりも恐ろしかったw
そう言えば、ニックと共にハンク、モンロー、ロザリーがレナードの思惑や計画などを話していましたが、話の内容に反して和んだ雰囲気だったのは絵的に面白かったです。
まあ、今回は“気持ち悪さ”と“和み”が共存する見応えがある回だったといったところかな。
では、また。