私には、結婚18年目を迎える妻がいます。
妻は、世間一般的な基準では、美人ではありません。
妻の顔の特徴を言えば、黒目が大きく、鼻ぺちゃ、おちょぼ口、ちょっと強引ですけど、タイトル通り、「はに丸くん」に似ています。
はに丸くんとは、1980年代のNHK教育番組のキャラクターです。
しかし、その顔は、私にとって飽きが来ず、癒され、そしてかわいい顔なのです。
端的に言えば、妻の顔は自分にとって、好みの顔だと言う訳です。
でも、それにハッキリと気付いたのは、なんと、結婚してから10年後だったのです。
妻との出会いは、大学生の頃です。いわゆる合コンです。
初めて見た時は、何かに似ているなと思いつつ、黒目が大きいのが印象的でした。
ちょうど席が隣になり、話し始めると、馬が合うというか、互いのリズムが合い、話が弾みました。
特に、いわゆる「設備屋」の話で、凄く盛り上がりました。
私は、学生時代の休日や長期休暇に、この設備屋で、よくバイトをしていました。
「設備屋」とは、一般的に上下水道と排気管(換気扇)を施工する配管屋さんです。
私のバイト先は、有名企業の生産工場がクライアントでした。
例えば、自動車のN社、ハイチュウでお馴染みのM製菓、塗料のKペイント、O製紙、当時磁気テープで名を馳せたS社、などです。
ですので、作業内容としては、生産ラインに大型ポンプや大型タンクを設置し、その周囲の配管を行うものでした。
当時は、バブルの絶頂期で、大手企業はどこも設備投資が盛んでした。
このため、人手不足も手伝ってバイト代は結構高額で魅力的でした。
また、工学部の学生だった私にとっても、色々な企業の生産ラインに係われるので、肉体的にはきつかったけど、楽しいものでした。
話が逸れました。
なんと、彼女の実家も、小さいながらも、この設備屋を経営していたのです。
「エルボーやチーズ(配管継手の名称)は、ひょうたん印の日立金属製が一番だよね!」と、他の参加メンバーが全く判らないような話で盛り上がっていました。
妻は、自分が好きな父の仕事に理解があり、設備屋の職人に敬意を払う私に好感を持ったようです。
私はと言うと、妻の友達が言い放った「この娘、はに丸くんに似ているでしょ!」が、とてもツボにはまりました。
「似ていない!、似ていない!」とムキなって否定する妻が、とてもかわいく思えました。
まあ、フィーリングが合うこともあって交際が始まり、その5年後に結婚しました。
結婚した理由は、第1に価値観が合う、他にも、料理が上手い、議論が出来る、女性のわりに冷静、1人ランチなんかも平気、など評価していました。
一方、妻には何かそれなりの理由があったのでしょう。
結婚から10年ほど過ぎた頃(2005~6年頃)、とあるゲーセンのUFOキャッチャーで「コリラックマ」を見かけました。
その隣のUFOキャッチャーにはポケモンの「ピカチュウ」がいました。
当時30代後半のオッサンでしたが、無性に「コリラックマ」と「ピカチュウ」がかわいく思え、ゲットしたい衝動に駆られました。
私は、UFOキャッチャーをした記憶は無かったのですが、挑戦してみました。
すると、あっさり500~600円ほどで2体ともゲットできました。
どうやら、私にはUFOキャッチャーの才能があったのです。
その後、気に入ったコリラックマ、ピカチュウ、加えて、ミッフィーを手当たり次第にゲットし始めました。
最初の1、2体は、かわいいと喜んでいた妻も、置き場所に困るほどに増えてきた頃には、「いい加減にして、どうしたの?」とキレられました。
妻が怒り、目を細めてにらむと、白目が減り殆ど黒目がちになります。
なんと言うか、アメドラの「スーパーナチュラル」に出てくる黒目の悪魔みたいな目になります。
姪や親戚の子にだいぶプレゼントしちゃいましたが、最盛期には下の画像の3倍ぐらい持っていました。
私は、何故、コリラックマ、ピカチュウ、ミッフィーを愛おしく感じてしまうのか考えてみました。
「ハッ」と気付きました。
丸顔、黒目、鼻ぺちゃ、おちょぼ口の顔が好みだと言うことを。
そう、妻の顔は私の好みの顔だったのです。
芸能人で言うと、「アジアンの馬場園」も好みの顔です。
最近、彼女もモデルの仕事をしているらしいし、どうやら時代が私の好みに追いついたようです。
話を戻しますが、私は、知らずに妻を顔で選んでいたのでした。
私は、のび太顔のお陰で運動音痴と見られるため、人を見た目で判断することに批判的だったにも関わらずです。
まあ、私もその程度の人間だと言うことです。
でも、結果オーライです。そして、とても幸運であったと思います。
残りの人生も、妻と楽しく過ごしていきたいものです。
ここで一句、
丸顔に 黒目鼻ぺちゃ おちょぼ口
では、また。