今回の記事は、前記事からの続きです。
私の亡くなった実母(以下、「母」)の思い出、特に私にとって忘れることができない強烈なエピソードをアップしたいと思います。
猫好きの方には、何だか物騒なタイトルですが、猫を蹴っている母の姿が、今となっては一番脳裏に残っています。
そして、その光景を初めて見た私は、まさにこの状態でした。
((;゚Д゚)ガクガクブルブル
まあ、「蹴り」と言っても、思いっきり蹴り上げるようなものではありません。
足に纏わり付いてきた猫を、外側に払い除けるようなものです。
例えるなら、サッカーの軽めのアウトサイドキックのようなイメージです。
でも、これを喰らった猫は、「フンギャー」と悲鳴を上げます。
そして、払い除けられた方向へ平行移動するように飛んだ後、一目散に逃げて行きます。
私が、このショッキングな光景を初めて見たのは、母の実家を訪れた時です。
おそらく、小学校入学前の春彼岸の時だと思います。
墓参りの前に、まずは仏壇にお供えをしようとした母の足元に一匹の猫が纏わりつきました。
次の瞬間、あの蹴りが炸裂したのでした。
母の実家はそこそこ近いこともあり、彼岸や盆、正月には、良く家族で訪れていました。
でも、母が猫に蹴りを繰り出している光景は、その時まで見たことは有りませんでした。
母の実家は、大きな農家であり、ねずみ避けのためか、いつも複数、だいたい3、4匹の猫が飼われていました。
私は、猫や犬だけでなく動物全般が好きだったので、猫と遊べる母の実家に行く事は楽しみだったと記憶しています。
でも、思い出してみると、母の周りにはいつも猫はいませんでした。
おそらく、ほとんどの猫は、あの「洗礼」を母から浴びていたため、母に近付かなかったのだと思います。
でも、私の前であの洗礼を浴びた猫は、きっと新入りだったのでしょう。
おそらく、あの猫は二度と母に近づかなかったと思います。
この光景を見た幼い私は、母をなんて恐ろしい人だと思いました。
この強烈なショックにより、私は反抗期を迎えるまで、母に対してわがままを言ったり、強く逆らうことはほぼありませんでした。
その後も、母の実家に行くと、相変わらず新入り猫がこの「洗礼」を浴びていました。
小学校低学年の頃、猫がかわいそうと思った私は、勇気を出して母をとがめ、理由を聞きました。
すると、
② 高校卒業の頃、お気に入りのスカートの上で飼い猫がねずみを食べた。
スカートは毛だらけ、血だらけとなってしまった。
③ 新婚の頃、買っていたジュウシマツを野良猫が食べてしまった。
④ 姉が赤ん坊の頃、猫に鼻をかじられた。
幸いにも傷は残らなかったが、血の気が引いた。
だから、猫は嫌いだ。
そして、猫に魚を横取りされて以降、いの一番に大好物を食べることを教訓としている。
と母は淡々としながらも、強い口調で語りました。
私は、人違いならず「猫違い」のため理不尽とは思いつつも、迫力に押されて反論できませんでした。
まあ、母に関しては他にも、
② 料理上手、
③ 和裁、洋裁が得意、
④ 2chで言うところの「長男教」、 「クソトメ(姑)」、「クソコトメ(小姑)」の気質が若干あり、
と良い点も悪い点も含め、人となりを示すエピソードは多々あります。
ですが、私の記憶の中で、この「猫蹴り」があまりにも強烈過ぎて、まずはこのエピソードをアップしました。
母の人となりを含めた他のエピソードや思い出は、また別の機会に追々触れることにします。
ここで一句、
猫見ると 母の在りし日 思い出す
では、また。